エピソード1: マドリードの地下鉄の不思議な光景 〜スペイン・マドリードー〜 | 特派員は見た!

マドリードに来てから1か月半が経ちました。

観測史上最高の暑さを記録した夏が過ぎ去り、ここ2週間ほどは涼しく秋らしい天気が続いています。

今回は私が毎日使っている地下鉄で繰り広げられる不思議な光景について書いてみようと思います。


突如始まる車内ライブ

日本ではよく見られる、路上ライブ。マドリードでは、路上ではないとある場所でこのライブが繰り広げられます。それは、電車の車内です。楽器やジャンルは様々。歌を歌う人もいれば、ギターを弾く人、打楽器をたたく人もいます。彼らの多くはマイクや楽器を接続できる、移動式のスピーカーを持っています。(スペインの百貨店エルコルテイングレスで売られているのを目撃しました。)


路上ライブと言えば、夢を追う若者がしているイメージがあったのですが、こちらでは生活のために行っている人も多いように見受けられます。私は度々この車内ライブに遭遇していますが、乗客たちも嫌そうな顔をすることなく演奏に耳を傾け、良いパフォーマンスをした演奏者にはお金を手渡します。一曲歌い終えた演奏者たちは、電車が止まると別の車両へ移動していきます。



突如始まるスピーチ

楽しげな車内ライブとはうって変わって、こちらは少し悲しい光景です。「仕事ない…お金…お願いします…」スペインに到着して間もない私にも彼らが何を求めているのかが分かりました。車両の真ん中に立ち、援助を求める人。そして車内の誰かが必ず寄付をしています。これも珍しい光景ではありません。中にはスピーチだけでなく、ポケットティッシュなどの物を売り歩く人もいます。



偽物?!ブランドマーケット

地下鉄の通路には、地面に商品を広げ、商売をしている人も時々見られます。彼らはおそらくアフリカ系の人々で、スポーツブランドのスニーカーやサッカーのユニフォームなどを売っています。彼らがどこからやって来て、この商売のしくみはどうなっているのか、やや気になるところではあります。


このように地下鉄は、ただの移動手段ではなく、一部の人にとっては自分を表現する場であり、生活の糧を得る場となっています。地下鉄の利用者に害はありませんが、日本だったらあり得ない光景。面白くもあり、スペインの影を感じる部分でもあります。


良くも悪くもおおらかでのんびりとした空気の漂うマドリード。地下鉄にもそんな「ゆるさ」が表れているのかもしれません。

シブヤ大学 週末アジア旅倶楽部

シブヤ大学は「まちはキャンパス」をコンセプトに、街のいろいろな場所で、あらゆるテーマの授業を行ってきました。2015年1月にスタートしたシブヤ大学の公認サークル「週末アジア旅倶楽部」は、日本を含めた世界の国々を大学のキャンパスに見立てて、旅好きのメンバーが「旅」や「世界各国の文化(アジア以外も!)」をテーマにした様々なイベントを自分達で企画・開催しながら、旅人感覚のライフスタイル楽しんでいます!